老舗温泉旅館の再生
日本の伝統的な温泉旅館には、日本人のきめ細かなサービス精神が世界に誇れる文化にまで高められ、数々の名旅館や名物女将を生み出した歴史があります。しかし今、多くの温泉地、温泉旅館が岐路に立っています。情報化やグローバル化などで日本人の観光スタイルそのものが激しく変化する中で、伝統ある温泉地、温泉旅館であっても自助努力だけでは生き残れないような厳しい状況に直面しています。 温泉旅館のフランチャイズ展開を目指す企業に建物を賃貸借して運営を委託することによって、負債の清算と再生に必要なリニューアル費用を捻出し、温泉旅館の再生を実現した事例です。再生後は新規顧客層を開拓して90%を超える稼働率を達成し、温泉地全体の活性化にも貢献しています。
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体験型テーマ施設「修善寺物語」の提案
修善寺は1200年の歴史の中に鎌倉時代の栄枯盛衰のロマンや明治の文人達に愛された風情を色濃く残し、質の高い温泉旅館が集積する情緒溢れる温泉郷を形成しています。その修善寺での集客拠点に求められるのは、地域とは無関係で唐突なテーマパークとか、膨大な投資を必要とする箱もの施設、散漫で収益性に欠けるリゾート施設などではいずれも的外れです。 修善寺の歴史や地域性を明快にイメージでき、集客のノウハウが凝縮されたコンパクトで高性能な集客拠点づくりが期待されます。それには、イベント主導で集客する新しい街づくり、ローコストで施設を造る新しい発想、団塊世代のパワーを取り込む新たな戦略、など人材・資金・情報を呼び込む多面的な事業戦略をもった計画が必要となります。 具体的には、修善寺がもつ資源やイメージを最大限活用でき、修善寺らしさを素直に感じられ歴史的結びつきが深い明治・大正期をテーマに体験型施設を整備することです。明治・大正期は、封建制度から開放され文明開化を目指した民衆の時代であり、日本人のもつ古き良き時代のイメージに最も重なる時代でもあります。その高揚した時代を体現できる仮想の街「修善寺物語」を展開していきます。 「修善寺物語」はかつての浪漫あふれる修善寺の賑わいを再現し、アトラクションや様々なからくりによって明治・大正期にタイムスリップしていく新しい体験型テーマパークとして展開し、修善寺のど真ん中に新たなファミリー型の観光交流拠点を創出していきます。日本の伝統的な街並みや賑わいを感じさせる施設づくりは外国人観光客の誘致にも効果が大きく、国内の客数・客層の拡大も期待でき温泉旅館など既存観光施設に波及して新たな可能性を広げることになります。
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